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非常食は買った期に全額落ちる

防災備蓄品の経費処理 ― 使っていないのに費用にできる、数少ないものです。

ここが特殊

備蓄品は買っても使いません。普通なら期末に貯蔵品として資産に残りそうなところですが、 非常用食料品は備蓄した時点で事業供用があったものとして、その時の損金の額に算入して差し支えない とされています(国税庁 質疑応答事例)。実務上は購入した事業年度に全額を落とせるということです。
ただしこれが効くのは食料品などの消耗品まで。発電機や備蓄庫は資産で、 金額によっては減価償却になります。同じ「防災用品」でも扱いが割れます。

最終更新 2026-09-05 / 根拠:国税庁 質疑応答事例「非常用食料品の取扱い」・東京都帰宅困難者対策条例

判定表

買うもの 扱い いつ落ちるか
非常用食料品・保存水 消耗品費など
備蓄時に事業供用があったものとして
その時の損金に算入して差し支えない
購入した事業年度に全額
簡易トイレ・毛布
乾電池・救急用品
消耗品費など
1個あたりが少額のもの
購入した事業年度に全額
ヘルメット・防災リュック 金額により消耗品費または器具備品 10万円未満なら全額
1単位あたりで判定
発電機・蓄電池
備蓄庫・防災倉庫
器具備品・機械装置など
資産になる
金額に応じて
減価償却

※ 資産になったものの処理は 10万・20万・40万の判定表耐用年数表を参照してください。

どれだけ備えるか(東京都の場合)

東京都帰宅困難者対策条例(平成25年4月施行)は、事業者に対して 従業員全員×3日分の水・食料その他必要な物資の備蓄を努力義務として定めています。 金額の目安が立てやすいので、購買計画の起点にしやすい数字です。

従業員数3日分の目安
10人水 90リットル(1人1日3リットル×3日)/食料 90食
30人水 270リットル/食料 270食
50人水 450リットル/食料 450食

※ 具体的な備蓄量・品目は自治体によって異なります。事業所の所在地の条例・ガイドラインを確認してください。

ここで間違える

「使っていないから貯蔵品」ではない

期末に未使用の消耗品は、原則として貯蔵品として資産に計上します。 しかし非常用食料品は、備蓄することそのものが目的であるため、国税庁の質疑応答事例では 備蓄時に事業の用に供したものとして、その時の損金の額に算入して差し支えないとされています。 「まだ食べていないから資産」と考えて計上し直す必要はありません。

入れ替えたときの古い分も、もう費用になっている

賞味期限で入れ替えるとき、古いほうは購入した期に既に損金算入済みです。 廃棄しても改めて損金にはなりません(二重計上になります)。 新しく買ったぶんが、その期の損金になります。

発電機や備蓄庫は「防災用品」でも資産

同じ防災の予算で買っても、発電機・蓄電池・防災倉庫は器具備品や機械装置に当たり、 取得価額に応じて減価償却の対象になります。予算をまとめて「防災費」で処理すると、 資産計上すべきものが混ざります。発注リストの段階で、消耗品と資産を分けておいてください。

備蓄は努力義務だが、置いていないことのリスクは税務の外にある

東京都の条例は努力義務で、違反しても罰則はありません。 ただし従業員の安全配慮という別の文脈があるため、税務上の損得だけで判断する話ではありません。 ここでは経費処理の面だけを扱っています。

従業員数から逆算して買う

備蓄量は従業員数と日数から決まるので、必要数の逆算がしやすい費目です。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してください。

3日分をそろえる
従業員数×3日分を、毎年同じ形で買う

備蓄は数年ごとに入れ替えが発生します。Amazonビジネス(登録・年会費無料)にすると 購買履歴が一元化され、前回いつ何をいくつ買ったかを追えます。賞味期限の管理と入れ替えの予算取りが そのまま購買履歴から出せるようになります。見積書・請求書払いにも対応しています。

※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは 支払方法によって扱いが異なるため、経理処理の前に自社の要件で確認してください。

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出典

この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の支出について税務上の判断を示すものではありません。 どこまでが消耗品でどこからが資産か、備蓄量をどう決めるかは、状況や自治体によって変わります。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。備蓄の要否・数量は所在地の自治体にご確認ください。