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その修理は費用か資産か
修繕費と資本的支出の判定表 ― 20万円・3年・60万円という3本の線があります。
修理や部品交換の代金は、原状回復なら修繕費、価値を高めたり使用可能期間を延ばすなら
資本的支出として資産に計上します。この区分は判断が割れるため、
通達が形式的な線を用意しています。
①20万円未満 ②おおむね3年以内の周期 ③(区分が不明なら)60万円未満か前期末取得価額の10%以下。
上から順に当てて、どれかに引っかかれば修繕費で処理できます。
判定表
| 順番 | 条件 | 結論 |
|---|---|---|
| 1 | 一の修理・改良等の金額が 20万円未満 | 修繕費でよい |
| 2 | 修理・改良等が おおむね3年以内の周期 で行われている | 修繕費でよい |
| 3 | 資本的支出か修繕費かが明らかでない場合で、 60万円未満 または 前期末取得価額のおおむね10%相当額以下 形式基準(7-8-4) |
修繕費でよい |
| 4 | 上のどれにも当たらず、区分も明らかでない | 区分の特例(7-8-5) 支出額の30%と前期末取得価額の10%の いずれか少ない金額を修繕費にできる (継続適用が条件) |
| ― | 価値を高める・使用可能期間を延ばすことが明らかな支出 | 資本的支出 資産に計上して減価償却 |
ここで間違える
「一の修理」は工事単位。分割発注では変わらない
20万円未満かどうかは一の修理・改良等ごとに判定します。 同じ内容の工事を2回に分けて発注しても、実態が一体なら合算して見られます。 金額を下げるために分割する、という発想は通りません。
周期が短いことは「実績」で示す
おおむね3年以内の周期という条件は、その修理を実際にその頻度で行っていることが前提です。 初めての修理に「今後3年ごとにやる予定だから」は使えません。 過去の修繕履歴が残っていれば通しやすくなるので、記録は残しておいてください。
パソコンの部品交換は、内容で分かれる
壊れたパーツを同等品に交換するなら原状回復で修繕費です。 一方、メモリを増設する・容量の大きいストレージに換装するなど性能を上げるものは 資本的支出に当たりうるとされています。同じ「部品を買った」でも、 元に戻したのか、良くしたのかで結論が変わります。
資本的支出になったら、その後は別の資産として扱う
資本的支出は、原則としてその支出額を元の資産と種類・耐用年数を同じくする新たな資産を 取得したものとして扱います。台帳に1行増えるということです。 金額が大きい修理は、この時点で耐用年数の話に戻ります。
原状回復のために買うもの
同等品への交換や消耗パーツの補充は、修繕費になりやすい支出です。 価格は変動するので、実際の金額はAmazonの商品ページで確認してください。
- 交換用バッテリー・ACアダプタ 同等品への交換は原状回復。20万円未満なら迷わず修繕費
- ストレージ・メモリ 同容量への交換なら修繕費、増設・大容量化は資本的支出になりうる
- オフィスチェアの交換パーツ 1回あたりが少額の原状回復。周期的に発生するので実績が残りやすい
- 空調・設備の消耗フィルター 周期的な保守。3年以内の周期であることを履歴で示せる典型
周期の条件を使うには、過去に同じ修理をいつ行ったかが要ります。 Amazonビジネス(登録・年会費無料)にすると購買履歴が一元化され、 同じ部品をいつ買ったかを後から追えます。修繕の記録と購買の記録が同じ場所に残るのが利点です。
※ 請求書払いには別途審査があります。帳票が適格請求書(インボイス)に該当するかは 支払方法によって扱いが異なるため、経理処理の前に自社の要件で確認してください。
出典
- 7 資本的支出と修繕費(国税庁) ― 修繕費と資本的支出の区分、形式基準の考え方
- 法人税基本通達 第8節 資本的支出と修繕費(国税庁) ― 7-8-3(少額または周期の短い費用:20万円未満、おおむね3年以内の周期)、 7-8-4(形式基準:60万円未満または前期末取得価額のおおむね10%相当額以下)、 7-8-5(資本的支出と修繕費の区分の特例:支出額の30%と前期末取得価額の10%のいずれか少ない金額。継続適用が条件)
- 国税庁 タックスアンサー No.5402 ― 修繕費とならないものの判定(資本的支出の例示)
この記事の位置づけ:一般的な制度の解説です。個別の会社・個別の支出について税務上の判断を示すものではありません。 原状回復か価値の向上か、一の修理の範囲、周期の実績をどう見るかは、状況によって結論が変わります。 実際の会計処理・税務申告は、必ず顧問税理士にご確認ください。